猫と海辺に暮らす翻訳コーディネーターの阿鼻叫喚な日々を綴る日記。

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金曜日の出来事
ここのところ週末の金曜日は忙しかった。

と言っても、よく趣旨の分からない宴会の幹事だったり、同僚外人の愚痴大会
だったりと振り回された金曜日が続いた。

今日は残業もそこそこにPCを落とす。声をかけてきそうな同僚から目をそらし
エレベーターに一人乗り込むと、気が狂ったように1階を連打。エレベーターが
1階に着くや、エントランスホールを横切り、駅までイノシシのように走る。

何かもう1分1秒でも会社の空気を吸いたくない気分だった。
今日こそは心静かな週末を過ごしたい。そう思って東京駅の地下に向かった。

いつもの五右衛門で、いつものお一人様席で、いつものジェノベーゼ
を頼む。ウェイトレスのお姉さんに、お飲物は食後ですよね?などと聞かれ、
いつの間にか顔になっていて恥ずかしい。東京駅周辺に3件ほどあるので、
これからはローテーションを組もうと決心する。

デザートのブリュレを食べていると、隣の席に腐女子の2人組が来た。
もともと狭い店内に目いっぱいの客席をしつらえるものだから、それぞれの席が
ものすごく近接してしまう。

腐女子は2人共デブで、しかも大きな痛いアニメ柄の紙袋をもっていた。私はオタ
クにもデブにも基本的に寛大な人間だと思う。ただ今日の2人はハイパーだった。

私の隣に案内されたデブ子の一人が、幅30センチほどのテーブル間をこちらに
向かって突進してくる。太もも一本でさえ通らないのは目に見えてわかるのだけど、
なぜかゴリ押し。彼女の体の車体感覚は完全に麻痺していた。

無理無理に押し入るから、アンコウのようなお尻で私の肘をタックル。その
勢いでブリュレが破壊されてお皿の外に飛び出した。呆気にとられて茫然とする私に
気づくこともなく、そのまま隣に腰を下ろす。腹筋を使って静かに腰を下ろすなどと
いう高度なたしなみも期待できず、どっかんと落下。ソファの沈みはハンパなく、
微妙にデブ子方面に傾く私。

するとそんなところだけ余計な気をきかせて、

「(もう一人の)デブ子Bちゃん、荷物こっちに置いてあげる」

とアニメ声で言い放った。

すでに自分の体で目一杯の座席の横は、基本私の荷物スペースなのだけど、そこに
容赦なくイタ車柄の紙袋が置かれる。

「狭くっていやね、ここの席」

と、チラリとこちらをみた時は、さすがに軽い殺意。

そこからは今訪れてきたばかりの秋葉原のアニオタ専門店について、興奮さめやらぬ
様子のマシンガントークが炸裂。注文を取りにきたお姉さんを3回ほど追い返しては
口から泡を吹いている。

すると、向かい側に座っていたデブ子Bが膝にのせていた紙ナプキンをはらりと落と
した。なぜかそれをじっと見つめるデブ子B。20秒ほどの沈黙を破り、意を決したかの
ようにナプキンに手を伸ばした瞬間、前に折り曲げた体が一瞬で後ろにはじき飛ばされ、
髪の毛がバラリと乱れた。エクソシストで悪魔が乗り移った少女が後ろにもの凄い
勢いでバウンドする、まさにあの感覚。何かのり移った?

すると何事もなかったかのように私の横に座るデブ子Aが声をかけた。

「体沈めないからよ!」

意味が分からない。
すると次の瞬間おもむろにデブ子Bが席を立つ。そしてそのままゆっくりと
スクワットをすると、体を曲げることなく手を伸ばしナプキンを拾って席にもどった。
その後、会話に聞き耳をたてていると、体を前屈するとお腹の肉にバウンドして首に
くるとか、体育座りできないもんね、などと話している。知らなかったデブの秘密....

デブ子Aの突撃でまがったテーブルを直し、ブリュレをお皿に戻しながら色々大変
なのねと思う。すると今度は左のテーブルが曲がった。

右隣のデブ子に気をとられて油断している間に、左隣とそのまた隣にもデブが座って
いる。気がつけば店内そこかしこに同じ紙袋をもった腐女子のデブ祭り。今日は
何かのイベント開催日?

あちからかもこちらからも「私こんなに食べられない」とか「飲み物はウーロン茶で」
などとデブの小食アピールが聞こえてくる。いずれもアニメ声の「です、ます」調で
しゃべり、アヒル口を作っては必死に誰かになろうとしている。誰?

また、五右衛門はフォークではなくお箸でパスタを食べるので、気をつけない
と下品になるのだけど、店内を占拠した自称「ちょっとふっくら、薄くぽっちゃり」
力士たちは、まるで飲み物のようにパスタをすすっている。

破壊されたブリュレとソーメンのようにパスタをすする音にいたたまれなくなり
そのまま店を出た。

あの集団はいったい何の団体だったのだろう。まさか、すべて個別のデブ子が
偶然にもあの時間、あの場所に集合していたのだとしたら、世にも不可思議な現象
である。

そしてまた私の静かな金曜日は露と消えた。

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