猫と海辺に暮らす翻訳コーディネーターの阿鼻叫喚な日々を綴る日記。

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雨は蕭蕭と
朝の車窓。台風のせいか、今日は梅雨らしく雨が降っている。

絹のようにさらさらと降る雨に、遠い昔習った三好達治の詩を思い出した。
蕭々と降る雨の中、黙々と草を食む馬と大阿蘇を詠ったあの詩。
きっと馬のたてがみを濡らした雨も、こんな雨だったのかもしれない。

馬は天才ニーチェの最期を思い起こさせる。
その晩年精神に異常をきたしたニーチェは、窓の外で鞭打たれる馬の首に
とりすがり泣いていたという。

一体彼の心に何が起こったというのだろう。

先日テレビの舞台挨拶か何かで、俳優の佐藤浩市さんがニーチェの
言葉を引用していた。

「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気を
つけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。」

一体どういう文脈でこの言葉を使っていたのか覚えていない。でも、馬の首に
取りすがり泣くニーチェは、狂気の中で覗いてはいけない深淵を見てしまったの
かもしれない。私も深淵を覗いてみたい。でも深淵に覗かれるのはお断り
したい。

「善悪の彼岸」。人生の最期、彼が提唱した既存の倫理や道徳を超えたところに
彼自身が見たものは、超人でも何でもない。ただ馬を愛する一人の孤独な人間で
あったのかも知れない。

蕭々と降る早朝の雨の空、馬とニーチェに思いを馳せた。


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