猫と海辺に暮らす翻訳コーディネーターの阿鼻叫喚な日々を綴る日記。

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眠られぬ夜のために
その昔、荷物をまとめて海を渡ろうと思った時、何か本を持って行こうと考えた。

これといって愛読書のようなものもなかったのだけど、その時ふと手にとったのが、
カールヒルティの「眠られぬ夜のために」と、福沢諭吉の「学問のすゝめ」だった。

実際、イギリスに行ってから何度も読み返していたのは、ヒルティの方。

スイスの哲学者、法学者であり、政治家でもある彼は、数々の著書を著している。
大学生の頃、そのタイトルにひかれて何の気なしに読み始めた私は、そのタイトル
とは逆に眠ることができなくなってしまった。

それまで読んでいたエピクテトスやマルクスアウレリウスのストア哲学を、より
現実的に日々の生活に取り入れる術を教えてくれた一冊。全然ストイックでも
何でもない私だからこそ、彼らの思想に惹かれたのかも知れない。

エピクテトスは、ローマ皇帝ネロの時代の奴隷、片やマルクスアウレリウスは
ローマ皇帝。この二人をつなぐ一本の線が、ストア哲学。ここにキリスト教を
バックボーンとしたヒルティ独自の思想がプラスされて、奥深く醸造され、心打つ
言葉の数々が紡ぎ出されて行く。

宗教も哲学も日々の生活で実践されるレベルまで咀嚼されないと、決して本物
ではないと思ってしまう。そういった意味では、まず非常に個人的なものだと思うし、
人それぞれの想いや考えは決して強要されるべきものでもないと思う。

ただただ静かに、自分がそうしたい、こうありたいと望む方向へと流れていくのみ
である。

気持ちが萎えて海の底深く落ちて行く、そんな一人ぼっちの夜には、決まってこの
本を開いた。何がどれだけ自分のものになっているか、また、ここに展開されて
いるような生き方になっているか、私には分からない。

でも、求め続ける過程こそが何かを与えてくれる大切な体験になって行くのだと
信じていきていきたい。


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またまたですみません
>想いや考えは強要されるべきものではない
その通りですね。
ただ、自分が正しいんだって主張がそれを邪魔してしまうことが多々ある。特に相手のことを考えて助言のつもりで言うときなんかが危ない。
全てをわかっているつもりの自分が恐いですね。
また、お邪魔すると思いますが、よしなに。
電脳高架橋 | URL | 2013/06/04/Tue 10:25 [編集]
Re: またまたですみません
電脳高架橋様: 続けてのコメント本当に有り難うございます。こんな私のつぶやきを、一つ一つきちんと読んでくださる方がいらっしゃることに心から感謝いたします。私も電脳高架橋様のブログを楽しみに拝見しております。これからも宜しくお願いします!
ウォーリック | URL | 2013/06/04/Tue 19:17 [編集]
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