猫と海辺に暮らす翻訳コーディネーターの阿鼻叫喚な日々を綴る日記。

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生まれたての朝
また新しい一日が始まる。

早朝の始発電車は、まだ発車前。人もまばらで静か、開け放たれたドアからは
涼しげな風が入り、車内を真っ直ぐに吹き抜けていく。

今日は曇り空。この曇り空の表情は、どこか秋を思わせる。これから活気に溢れた
夏に向かう空というよりは、万物がその身をすくめ、英気を養う冬を目指す空の色。

ふと幼い頃に歌った、サトウハチローさんの「小さい秋見つけた」の歌詞を思い出す。

お部屋は北向き曇りの硝子、
うつろな目の色、溶かしたミルク
わずかな隙から秋の風

電車は走り出し、海に沿ってスピードを早める。鉛色の空を映す灰色の海。
何もかもがグレーに染まる、そんな一瞬。

静かだった車内に人が吸い込まれ、そして、徐々に朝の活気を取り戻していく。
静寂から喧騒へ、モノクロからカラーへ。
そして、海の有機臭から、誰かがつけるブルガリの香りへ。

海に沿って走る、走る。

そして突然、雲の切れ間から太陽が顔を出した。
ロシアの詩人、パステルナークの有名な一節。

雨つづきの日々が終はりに近づき、
雲間に空の青さが現れだす頃、
決壊箇所の晴れ間は何といふ華やぎ、
草地は何と祝祭気分に満ちてゐることか..........

太陽の目覚めで、季節は春へと時計の針を戻した。
太陽の力は計り知れない。

一つの朝に、二つの季節。

そして新しい「今日」が、また始まった。

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