猫と海辺に暮らす翻訳コーディネーターの阿鼻叫喚な日々を綴る日記。

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いのちのこと
今、私は電車の中で発車待ちをしている。今日は電車にまつわるショックな出来事が
あったので、iPadで書き込みをしている。

事の始まりは昨夜のこと。急に、西村まゆ子の「天使の爪」と宮本典子の「エピローグ」
を聴きたくなった私は、夜中にもかかわらずPCを立ち上げた。2人ともしっかりした
歌唱力の持ち主で、安心してその世界に入って行くことのできる「昔の」歌手。

そんな中にあって、懐かしいアイドルが出て来た。ようつべの映像の中で、甲斐智恵美
さんがデビュー曲「スタア」を歌っている。健康的でハツラツとした表情が印象的
な彼女は、その後、結婚して芸能界を引退。お子さんにも恵まれて幸せに暮らして
いらっしゃると聞いていた。そして、あの突然の訃報である。

首吊り現場の第一発見者がお子さんというのは、一体どれほどのトラウマになるのだろう。

テレビカメラに向かって、希望に溢れる未来を見つめるその眼差しの先に、こんな悲劇
が待っているなど、誰一人想像しなかったに違いない。

そして、そのままPCを落とした。

今朝の私は、いつも通り、いつもと変わらぬ時間の電車に乗り込み、冷房の風に巻き
上げられたOLの髪の毛にくしゃみを我慢していた。私の乗った電車が新橋の駅を発車
しようという時、車内にアナウンスが流れる。ちょうど今、通り過ぎてきた有楽町
の駅で人身事故があり、この電車はしばらく停車しますとのこと。

車両の中をすぅっと寂しい風が通りぬける。ホーム側に向かって立っていた私は、
電車が発車する際に、まさに次の電車に飛び込もうとするその人を見ていたのかも
知れない。

乗客の反応は様々で、時計に目をやりながら苦々しく舌打ちをする人。スマホを
取り出し情報をチェックする人。そして、表情一つ変えることなく、新聞を読み
続ける人。知らない誰かが自殺をはかり、それにいちいち反応するなどというのは、
確かに馬鹿げている。そして、こうして多くの人に迷惑がかかってしまったこと
も事実。でも、たった今この瞬間に人ひとりの命が消えた現実に、周囲の無関心
が心寒かった。

忙しいのは皆一緒。でも、どうすれば舌打ちなどという品性下劣な真似ができるの
だろう。

人間一人の尊厳というもの、命の重みというものに、舌打ち一つ...


この世に生まれて数年もすれば、どんなに人にも人の和(輪)と関わりが
できて、そして、コミュニケーションが始まる。生きた軌跡を刻みながら、年を
重ねるにつれて繋がりもその広がりを増していく。たとえ今、どんなに孤独な人で
あっても、祝福されて生まれてきた愛の記憶、ご両親の愛情や兄弟の喜びを、
ただ忘れてしまっているだけなのに。

なぜなら、人は一人では生きられないもの。

さっき亡くなったのは、もしかしたら私の友達の家族かもしれない。1年に3万人、
1日に90人、そして16秒に1人の人が亡くなっていれば、決して大袈裟な例えでは
ない。舌打ちができるどれほどの忙しさが、あなたの人生を振り回して
いるのですか、と、心底気の毒になった。

そして、帰り道。職場の最寄り駅で、今度は、東京駅で人身事故があったこと
を知り、今、この文を書いている。首都圏以外に住んでいる人には距離感がないと
思うけど、今朝の有楽町と今、人身事故が起こった東京駅はすぐお隣の駅。
一日に二回、それも私の行きと帰りに合わせたタイミングで起こった自殺
に凹んでしまった。

世界第3位のGDPをもつこの先進国は、同時に世界でワースト10内の自殺大国。
以前、「二十歳の原点」の日記でも書いたけど、死にたい人は、試しにあと
一日だけ生きて欲しい。そして、その一日を少しずつ更新して欲しい。

過去も未来もない。でも、きょう一日、今を生きた。
あなたは生きているだけで十分。例えあなたの名前を知らなくても、心から
死んでほしくないと思っている人がここにいるの。

試してほしい。

おいしいものを食べて、お腹いっぱいになって、ゆっくりお風呂に入って
体を温める。そのまま気持ちよくなったら、「清潔な」シーツと枕カバーの
ベッドに入って、朝日と一緒に跳ね起きる。

昼夜逆転生活に戻りたくなっても、ここはちょっと我慢。この生活を3日、
いや、1日でも続けられたら、死にたい気持ちの半分はどこかにいってしまう。
人間は動物であればこそ、即物的な欲求を外堀から埋めてあげるのも
効果的。

きっと世界のどこかにあなたとの出会いを待っている人がいる。でも、
居なくても大丈夫。少なくともあなたがあなたを好きでいてあげる限り、
幸せの可能性は絶対に減らない。そして、仕事なんか結局どうにでもなって、
どこに行っても生きていける。

生きてさえいれば。


生きてください。

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