猫と海辺に暮らす翻訳コーディネーターの阿鼻叫喚な日々を綴る日記。

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家の猫たち
家の3匹の猫は、血統書など一切関係のない捨て猫たち。一番若い子でも
すでに10才を超えている。

今や雑種の猫たちが3匹もいる我が家でも、私は当初猫を飼うつもりが
なかった。すべて行きがかり上、いつの間にか3匹に増えてしまった。
以前「たまの思い出」でも書いた通り、仲良しだったたまが死んでしまった
あの日、私は2度と猫を飼わないと心に決めた。

それは亡きたまへの思いであると同時に、ペットロスのトラウマがあまりに
強いため、自分を守るための手段でもあった。

そんな私に猫を飼わないか、との電話があったのは13年前。友人のフランス人
から泣きつきの電話だった。あまりのかわいらしさに道で捨て猫を拾った
ものの、旅行には行けない、フランスにも帰れないことに気づいた上、予想以上
にお転婆で、もはや手に負えないなどなど。はっきり言って動物を飼う資格のない
部類にはいる人だった。私が断ったらどうするのかという質問に、ぬけぬけと、

「また拾った場所に置いてくる。」

次の日、大きなバスケットに入った生後1ヵ月ほどのメス猫が届いた。小さな
小さなこの猫は、すでにフランス語の名前があってpetite lune (小さな月)
と呼ばれていた。彼がいなくなった後、私はこのpetite luneに向かって
話しかけた。

「あなたは今日から日本人。名前はミーちゃんです。」

彼女は反抗して、3日間ほど観葉植物の鉢植えの影から出て来なかった。そして
4日目の朝、寝ている私の顔をなめて宜しくお願いします!と言う。この日から
家の子になった。

ミーちゃんがやっと慣れてきた初夏のある日、今度は日本人の友人から電話
が入る。もしかして私に猫を飼う気はないかと....

話を聞けば、2年前に中国から韓国へ職場を移した際に子猫を拾ったという。
その後、カナダ人の妻と結婚して日本に戻り、猫も一緒に空輸して連れてきた。
ただ、出産を機にこのカナダ人妻が赤ちゃんと猫の共存に難色を示し、このまま
では「公園に放す」ことになるらしい。

次の日、大きなバスケットに入った大きなオス猫がやってきた。出身はソウル。
でも名前はハルキという日本名だったので、そのまま採用した。
普段は1日中ベランダに置かれていて、旅行の際は1週間も放置したという。家に
きて初めて猫の爪とぎを見つけた時の彼の喜びようはなかった。その日から
そこが彼のベッドになった。

その後、このハルキとミーちゃんの折り合いが悪く、もう猫はこりごりと思って
いたある夏の日、突然ご近所に子猫が現れた。生後1ヵ月程で、一切汚れていない
外見から、きっとどこかで飼われていたものの、もてあました飼い主が捨てて
いったものと思われた。

ご近所の悪ガキがおもちゃの鉄砲で狙い撃ちをしているのを見かねた私は、
サンダル履きで飛び出して子供たちを蹴散らす。こういう虐待には本当に
耐えられない。とてもフレンドリーな子猫で通行人みんなに愛想を振りまいている。
ここまで警戒心がないから変な人にいじめられるのだ。私が家に入る際に、いつの
間にかドアの隙間から入ってきたこの子に、「もう家ではこれ以上飼えないよ」と
言って外に出した。

しかし、その日の午後エアコンの修理にきたお兄さんにくっついてまた家に入って
きた。

「可愛い猫ちゃんですね。」「家のじゃないです。」「えーっ。」

また外に出したものの、夕方になり声が聞こえなくなる。誰かにいじめられて
いるのではないだろか、車にひかれてはいないだろうか、と妙に気になり始めた。
どさくさまぎれに家の猫のごはんを食べた後、ひとしきりエアコンお兄さんの
足の匂いを嗅いでいた変な猫...心配になって外に出てみたものの、もう
どこにもいなかった。

胸が締め付けられる思いで、干してあった布団を取り込みに2階のバルコニー
に出ると、1階の窓の下に小さく小さく香箱を組む子猫がいた。あの猫である。
見ればよほど疲れたのか、コックりコックリと居眠りをして、そのままドデン
と横倒しになった。目を覚ました子猫は、「あ、いけない」とばかりにまた
香箱を組む。きっとお腹が空いて行き倒れ状態だったのね...この瞬間なぜ
だか涙が止まらなくなり布団をそのまま放り出した私は、1階にダッシュでかけ
降りるやサッシを開けてこの子を抱きかかえた。

何がなにやらわからない様子の子猫に「家の子になる?」と聞くと、「ニャッ」
と短い返事。その日から、家に3人目の子供が増えてしまった。

基本座敷猫の3人のうち、ミーとハルキはたまに脱走をはかる。ただこの3人目の
ピッチ(メス)は2階にさえ行こうとしない。外に出るのを心から恐れている。
きっと捨てられてから家にくるまでの間に、こわい目にあったのだろうと思う。
いまだに玄関のピンポンが鳴ると、和室の押し入れに隠れてしまう。この臆病な
ピッチが私に一番なついている。

辛いことがあると会社を辞めたい!などと思うこともあるけど、そんな私を
現実に引き戻すのはこの3人の扶養家族。私が仕事を辞めたら誰がご飯を食べさせ
ていくのだろう。飼っているつもりで、いつの間にかこちらが励まされている。
わがままで気まぐれでちっとも言うことなんかきかないけど、今や大切な大切な
私の家族になった。

あと何年一緒にいられるのかわからないけど、お別れの日まで大切にして、一緒に
楽しい思い出をつくっていくつもり。

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