猫と海辺に暮らす翻訳コーディネーターの阿鼻叫喚な日々を綴る日記。

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二十歳の原点
今日は少しだけ真面目な話。

昨今ニュースを賑わせている少年、少女の自殺。でも、この問題は今に
始まったことではない。ティーンに限らず、自殺の圧倒的なピークは50代から。
日々、首都圏で通勤をしている人間であれば、人身事故を告げる駅の電光掲示板の
ニュースは、もはや日常生活の一部になってしまっている。

胸が痛い。

自ら命を絶つというのはどれほどの恐怖と苦悩があったのだろうと思う。そして、
もし今このブログを読んでいる人の中で「真剣に死に向き合っている人」がいるのなら、
絶対に思いとどまってほしい。

今日のタイトルの「二十歳の原点」は、私が幼い頃に感銘を受けた本の一つ。
古き学生運動の時代の政治信条や死というものに興味をもった私は、樺美智子さんや
奥浩平さんといった人たちの遺稿を手にとった。でも、中学生の私にはあまりに背伸び
しすぎたテーマだった。

その頃、とある中学生が自殺をした。
その少年の自殺現場にこの本があったという記事を読んで、一度読んでみようと思った。

今考えると、本当に恐ろしい綱渡り。

感受性豊かな十代は、さらされる情報に対してあまりに無防備。洪水のように流入する
情報を正しく取捨選択してスクリーニングをかける基準が、まだ自分の中に出来上がって
いない世代だもの。これは自分にとって必要、これは怪しいから信じない、といった
自分なりの価値観が出来上がるのは、早くても大学生になってから。
読んだ本、聞きかじった情報が衝撃的な内容であればある程、その後に受けるダメージ
は大きい。

でも、そんなことは誰も教えてはくれない。

とにもかくにも、こうした遺稿集的な本の中で唯一中学生の私が共感できたのが
この「二十歳の原点」。この本は三部作になっていて、作者の中学生時代の日記をまとめた
「二十歳の原点ノート」から手をつけたから、同年代の共感を感じて入りやすかったのかも
知れない。

作者の高野悦子さんは中流の幸せな家庭に育ったお嬢様的女性。彼女が高校、そして大学
を経て、当時、世間を席巻していた学生運動の波に呑み込まれ、そして自ら命を絶つ
までを綴った日記がこの本。

当時の私は、この本にかなり「巻き込まれ」ていて、その頃から日記を書き始めた。
幼いなりに命や死といったテーマに一生懸命向き合って、本当に疲れ果ててしまった。

今となれば笑い話。ポジティブに振り返れば、物事を考える癖、人生や哲学、宗教への興味
の喚起、文章を書くことへのいざない、そして、読書の習慣といったいろいろなものを
与えてくれた一冊。ただ、これは諸刃の剣で、一歩間違えば私も危なかったかも知れない。

幸せは続かない。でも、辛いことも続かないのが人生。一週間の仕事がなければ
週末のありがたみがわからないように、苦労がないと幸せはわからない。

死にたい、なんて思っている人は今急いで結論を出さなくてもいい。頑張らないで
先送りにして、そして、少なくとも自分だけは自分を守ってあげてください。
そうじゃないと、あなたがあまりにも可哀想。

少しだけ時をやり過ごして、周りに目をむける余裕が出始めたなら、実はどれほど
多くの人たちがあなたを心配してくれていて、自ら顔を上げるのを待っていてくれた
かがわかるはず。

夜明け前が一番暗い。でも、明けない夜はない。
私もここで、まだ会ったことのないあなたの復活を待っています。

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