猫と海辺に暮らす翻訳コーディネーターの阿鼻叫喚な日々を綴る日記。

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ベルク・カッツェの靴
電車でのまどろみ。

ゆらゆらと心地よい揺れに身を任せて、これから家路につく楽しいひととき。

そんなゆったりとした時間の中、ふと目を覚ますと、電車の床を這うように
すべる長い抜け毛の塊。その塊が、とある靴にぶつかりその動きを止めた。

「ベルク・カッツェの靴?」

寝ぼけながら、舐めるように視線を上にあげていくと、麻原彰晃が座っている。
選挙活動時に彰晃ダンサーズがかぶっていたあのお面。半開きに口を開けて
宙を見つめている。

休日のカフェテラスで、この女性の目撃談を友人に話す私。それを黙って
聞いていた友人が口を開いた。

「なんだかちっともわからないわ」

半ば呆れ顔で話に乗ってくれない。そう、私の例えは分からないといわれている。
物事を解りやすく説明するために、皆が知っている最大公約数の何かに例える
ことで色々な含みを持たせたり、会話をスムーズに運んだり。

皆、そんな私の例えが分からないと言う。黙っていた友人が続けて、

「ベルク・カッツェって何?」

言われてみれば、百歩譲ってベルク・カッツェを知っていても、彼の靴を知って
いる人は、いないのかも知れない。

このブログを書くときも、極力マニアックな比喩は使わないように心掛けて
いるつもり。でも、どこかにきっと登場しているに違いない。残念ながら
私には分からない。

先日も同じようなことがあった。

出入りの翻訳会社との打ち合わせに出た私が自席に戻るや、都合で会合に
出られなかった男性陣の質問攻めにあう。

「何か仕事しづらそうな感じだけど、林さんてどんな感じの人」

そして素直に自分の印象を話す私。

「年の頃なら三十路入り、和歌山毒入りカレー殺人事件の林真須美をちょっと
薄くした感じ。バッグはラメ入りで大阪のおばちゃんテイスト。ただ、ベラのサンダル
みたいなのはビジネススーツに掟破りよね。そう言えば林久美子ってどど面どど彦と
同じ名前だ」

書類に目を落としたままツラツラと感想を述べた私は、あまりの反応のなさに目を
あげると、皆の頭の上にクエスチョンマークが見える。

「そういうこと聞きたいんじゃないんだけど」

確かに長々と話した割には、仕事に使える人物評がみじんも感じられない、と、今
これを書きながら実感。

一方周囲では、林真須美ってどんな顔だっけ?とか、ベラってサンダル履きですか?
などとざわつき始め、すでに話がとっちらかっている。さらにそれまで黙って聞いて
いた外人たちが業を煮やして聞いてきた。

「ウォーリックさん、ウォーリックさん、どどめんどどひこは何ですか」

え、そこ?

ここまで来て私のたとえが崩壊していることに気づく。何一つ、誰一人として私の話
を100%理解してくれる人がいない。

どど面どど彦は70年代の楳図かずおの「まことちゃん」に出てくるサブキャラ。

故田中角栄氏の隣に住むお嬢様だけど、顔がどど面。まことちゃんにストーカーを
かけてる人と、どうやって外人に説明しよう。しかもそのキャラの本名が、たまたま
取引先の担当者と同じという意味なし情報のためだけに。

紅白を見損なったというミーシャファンの友人の「どうだった?」という問いかけに、
頭がウツボカズラひっくり返したみたいと言ってキレられたり、「ソバージュをかけた
けどどう?」という友人に、ウミウシな感じといって怪訝な顔をされたり。

ちなみに私は繊細なA型で(笑)、ウケ狙いでいっているわけではない。私なりに精一杯
一番近いと思う印象を伝えようとしているだけなのだ。

続々と思い起こされる私のずれたコメントと、得体の知れないたとえの数々。

でも外人に英語で「今日は唇が腫れてカモノハシ!(platypus)」とやらかしても、
「あ、ほんとだ」って聞いてくれる。そもそも向こうは私が話す日本語なんて
聞いちゃいない。

私の友人に日本人が少ない理由は、どうやらこのへんにあるのかと思う今日この頃。


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| | 2013/07/10/Wed 10:29 [編集]
Re: ククッ(^^ゞ
コメントありがとうございます!
そう言って頂けるとホッとします。これに凝りずにまた遊びに
きてくださいね!


ウォーリック | URL | 2013/07/10/Wed 12:12 [編集]
ウオーリックさんの周りでは、何時も小っちゃなウエーブや、デカイウェーブが怒涛のように?押し寄せて楽しそうです!
優しくて、繊細でサービス精神がお旺盛で素敵な方なのですね。
毎日がドッキリでボケる暇がなさそう、見習います。
優の水彩工房 | URL | 2013/07/10/Wed 15:54 [編集]
Re: タイトルなし
優の水彩工房様:いつもコメントありがとうございます!

あまり褒められたことがないので、穴があったら入ります!

「昼下がりのフランス広場」ー どうして水彩であれほどの発色ができるのか
本当にビックリです。木々の萌黄とパープルのコントラストが
素敵ですね。柔らかくて大好きです!
ウォーリック | URL | 2013/07/10/Wed 18:07 [編集]
>どど面どど彦は70年代の楳図かずおの「まことちゃん」に出てくるサブキャラ。

知らないよ
まことちゃん世代ですが!

ウオーリックさんは根が素直過ぎて
そんな表現になるのでは?
小判鮫のコバンちゃん | URL | 2013/07/10/Wed 19:04 [編集]
Re: タイトルなし
コバンちゃん様:いつもコメントありがとうございます!

そ、そうですか。私は主人公よりもどど彦、ろくちゃん、蘭丸に圧倒されて
いました。今考えると、現在では絶対に表沙汰にできない内容だと思います。
今の私に影響を与えた作品だとはあまり思いたくないのですが...

どど彦の画像がありましたのでご覧下さい(どど彦は自分を男だと思っている
林久美子という女性という設定です)

http://ameblo.jp/kilong/entry-11111761235.html?frm_src=thumb_module
ウォーリック | URL | 2013/07/10/Wed 21:20 [編集]
ふ~む、つらつら考えた末に言えることは、
ウォーリックさんの頭の中の記憶量・情報量が多岐にわたって
半端ない、ということでしょうね。
比喩の矛先が鋭く周りの空気を引き裂いているかのようです。
お恥ずかしいことに、私にも半分ぐらいしか理解できません(笑)
一本の葦 | URL | 2013/07/10/Wed 23:23 [編集]
Re: タイトルなし
一本の葦様:いつもコメントありがとうございます!

何の役にも立たない記憶だけが積み重なると私の出来上がりです。
一本の葦様のような造詣深い文章が綴れればいいのですが。

>>お恥ずかしいことに、私にも半分ぐらいしか理解できません(笑)


ベルク・カッツェにどど彦ですよっw
ウォーリック | URL | 2013/07/11/Thu 00:00 [編集]
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