猫と海辺に暮らす翻訳コーディネーターの阿鼻叫喚な日々を綴る日記。

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世界のどこかで
私は英会話学校に通っている。

この学校は、テキストを使うわけでも決まったトピックスがあるわけでもなく、
ネイティブの先生とマンツーマンで40分、自由に好きなことを話す。
マンツーマンにもかかわらず、ワンレッスン2,000円というのは破格の値段。語学はどれ
だけ多くの時間がかけられるかがポイントなので、私はこちらのスクールを使っている。

いつも私のブログを見ていただいている方からすると、「同僚の外人がいるのになぜ」と
思われる方もいらっしゃるかも知れない。これには理由があって、仲がよくなればなる
ほど、日常の会話の中で「この言い回し変?」などと聞き返せないのが一つ。

また、彼らが社内で意図的に英語を話す時は、会話の内容がろくでもないことばかり。
決して人様の前で使える英語ではないため、なかなか応用に苦慮してしまう。

さらに、仲がいい分だけ、会社の飲み会で改めて「核拡散防止条約について」などと
話せる訳もなく、結果英会話の学校に通っている。

語学には読み書きが得意な人と、会話が得意な人に分かれる。この二つは歴然と分かれて
いて、私は別の能力だと思っている。そのため、それぞれを意識的に鍛錬しないと、どん
どんと力は落ちていくもの。自分一人でお勉強が苦手な私は、学校に通うことでペース
メーカーになってもらっている。

その点、今通っているスクールは今更英文法のテキストを強要されるわけでもなく、自分
勝手にしゃべりまくることができるので、私のような性格の人間にはとても合っている。
また、先生の国籍もバラバラなので、オーストラリアやカナダ、アイルランドのアクセント
に触れることができるのも魅力。ネイティブだからと言って、誰もがBBCやCNNのアナウンサー
のように話してくれるわけではないことを考えると、いろいろなアクセントに慣れておく
のも楽しい。

この学校で知り合ったアメリカ人の先生。先祖に日系の血が入っているという彼は、
なんとなく指名の回数も多く、お気に入りの先生の一人だった。

そんな彼が今度日本の会社を受けようと思っている、と話す。私がなんで?と聞くと、
教師としてのキャリアをこのまま続けるのも自信がない、もっと別のフィールドで新しい
世界を見てみたいという。

残念だとは思いながらも、日本でいわゆる「英語の先生」をしている人の定着率が
低いのはよく言われている話。「また世界のどこかで会えたらいいね」と言って、最後の
授業を終えた。

それから一週間後、総務から内線が入る。至急指定された応接室に向かいドアを
明けると、その先生がソファに座っていた。

お互い目を合わせるやオーマーガー状態。
ぎこちない動きで、日本語でこれまで聞いたことのないフルネームを話すトミー。

勿論学校の授業では一切の日本語が禁じられていたため、彼が日本語を話すのを
聞くのはこれが初めて。

「私の日本語よりもウォーリックさんの英語の方が数倍上手ですね」

(こんなお世辞が話せるなら、あなたの日本語は随分とお上手)。

名乗る前から私の名前を知っているのを不審に思った人材紹介会社の人が、私に
知り合いかと尋ねる。

「はい、一週間前まで英語の先生でした」

私の人生には、こうした偶然が多くあった。ミラノでトランジットをしている時に
イギリスでお世話になった教授に再会したり、成田エキスプレスのホームでイタリア
人の友人に出くわしたり。

結局、この英語の先生は別な会社に入ったけど、また、いつかどこかで出会う気が
してならない。

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こんばんは。
勉強熱心ですね
頭が下がります。
私も、外国語を勉強したいのですが・・・。
時間的にも金銭的にも余裕がなく

でも、海外旅行の経験はあります
オセアニア、アジア、ヨーロッパと
いろいろ行きましたよ。

いつかは、ちゃんと勉強したいね!
小判鮫のコバンちゃん | URL | 2013/07/02/Tue 01:01 [編集]
Re: タイトルなし
コバンちゃん様:
仕事を二つもって、梅干しを漬けて、奥様にペペロンチーノを作り、
農業も開始。人生の勉強にこれ以上の充実はないと思います。
私の人生は無駄に流れる時間が多い分、ちっとも前に
進んでいませんw
私はコバンちゃん様の人生が羨ましいです。

いつの日かまたツーリングで世界を旅してください。
あと2日で浜省です!ご家族の「嵐」に負けないように
弾けてきてください。
ウォーリック | URL | 2013/07/02/Tue 03:40 [編集]
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