猫と海辺に暮らす翻訳コーディネーターの阿鼻叫喚な日々を綴る日記。

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うんだんこ
朝の京浜東北線。新橋で奇跡的に席をゲットした私は、腰を下ろして iPad を開いた。
マスクの息苦しさでふと上を向くと、目の前にデブが立っている。年の頃なら 30 代半ばの
OL は、着膨れで更にパワーアップしていた。盛り髪から肩丈まで垂らした髪の量は多く、
場末のバーのあけみちゃん風情。顔はデブのテンプレ、和歌山毒入りカレー殺人の
林真須美にウリ子だった。

私のいうデブは 0.1 トン以上の巨漢なのだけど、この彼女が大きな一段腹を前に突き出して
グリグリと私を威嚇してくる。顔をくちゃくちゃにして何やら不穏な雰囲気。すると次の瞬間
思いっきり横を向いて、書き表せない擬声音のクシャミをした。

 「なんだ、クシャミを我慢していたのね、威嚇だなんてゴメンなさい」

心の中でつぶやく私。次の瞬間、私のすぐ目の前を何かが高速で横切るや左にあった手すりに
ぺチンと当たって床に落ちた。それと時を同じくして、デブ子の隣に立っていたサラリーマン
のお兄さんが彼女に語り掛けた。

 「あの、これなんですけどぉ」

浦見魔太郎のような彼が指さす先には、クシャミと同時にデブ子の口からほとばしり出た
タンが彼のコートの肩を直撃、こんもりとそこにとまっている。彼にとっては朝から大変な悲劇
なのだけど、私は笑いをこらえるのに必死で下を向いてしまった。頭の上で 「すんません」 と
言いながらデブ子がティッシュを出している音を聞きながら、私は先ほど床に落ちたものは
何かと探していた。こういうものは絶対に見逃さない。

座席の下にハケーン。目を凝らしてよくよく見るとそれは大きな飾りボタンだ。一瞬訳が
分からなくなった私がおもむろに前を向くと、デブ子のコートのお腹の頂点がパックリと
開いている。

 「えっ、豪快なクシャミで腹のボタンがはじけ飛んだっつう?」

さて、このボタン拾ってあげた方がいいものか。リーマンの肩についたタンを拭き
とろうと、逆にこすりつけるデブ子。うさん臭そうな顔のお兄さんに同情しながら、
しみじみと床のボタンを見つめる。すると、急に幼い頃に歌った童謡がよみがえってきた。

 「今年のボタンはよいボタン。お耳をからげてスッポンポン。も一つおまけにスッポンポン」

勿論この歌のボタンはお花の牡丹なのだろうけど、一体どんな意味なんだろう。すかさず
iPad を開くと検索にかかる私。そして、便利な Yahoo!知恵袋に質問と回答があった。
こうした私のくだらない疑問は、私と同じような思考回路の人が大抵ここで質問している
ことが多い。もはやデブ子のボタンを忘れ去った私は、どれどれと回答を読む。

質問者 : 「からげる」 と 「すっぽんぽん」 の意味をご存じの方、教えて下さい。
回答者 : からげるは、「まくり上げる」、すっぽんぽんは 「まる裸」 ということです。

「・・・」

まったく要領を得ないのだけど、この自然な流れがあまりにも心地よい。以前も別の
質問でこんなのがあった。

質問者 : ベラのムチは痛いんですか???
回答者 : 本人がそう言ってるんですから、きっと痛いと思います。

「・・・」

身も蓋もないというか、暇というか、聞くものと語る側の阿吽の呼吸。結局、このスッポン
ポンの意味は分からずじまいなのだけど、日本のわらべ歌には本当に謎が多い。これ以外にも
「おどまぼんぎりぼんぎり」 「ずいずいずっころばし」 「こんぴらふねふね、しゅらしゅしゅ
しゅーっ」 「さてはなん きんたま すだれ」 「かわばたまっちゃんきゃーめぐろげんぱく
なすびにいがいがどん」 …

デスブログの呪文にしか思えない....

ぼたん → ボタン → 牡丹のように、まずひらがなで脳内変換をする癖がついたのは、私が
転校生として宮城県に赴いた7歳のことだった。埼玉で生まれた私は宮城に転居することで、
同じ日本でありながら何故か言葉が通じないという強烈なトラウマを背負うことになる。

田舎の子供は容赦なかった。向こうは私の言っていることがわかるのだけど、こっちは
一体何が何やら、宇宙人鳩山由紀夫状態。何気に薄くいじめられていたのかも知れないの
だけど、何せ彼らの悪口さえ意味がわからないのでこっちは最強。そんなある日、私の
お婆ちゃんが、隣のお婆ちゃんに話しかけている。

 「おらどですたでば。おれさまあめのあど、すがさつっぺてあぐどどぶのどごぶっだでば」

果たして宮城県人以外で、この言語を理解できる方はいらっしゃるだろうか。昔ならった
宮沢賢治の 「あめゆじゅとてちてけんじゃ (永訣の朝) 」 みたい。標準語はこちら:

 「私は驚いた。雷雨の後に氷ですべってかかとと後頭部を打ちつけてしまった」

私がいじめられているのを知った従兄が、土着民の子に向かって何か叫んでいる。

 「あんだのほったぶ、かぎのうんだんこだす」

単語がどこで切れるのかもわからない。しかも実際の音声では細かな抑揚がついて、まるで
フランス語のよう。なんでも後々従兄が解説したところによると、色白だった都会っ子の私が
田舎で日に焼け、白い大根がしなびて干し大根になった、みたいな悪口を私に叫んでいた
らしい。意味も分からずにこにこしていた私を憐れんで従兄が激怒、言い放った言葉がこれ
だ。大根に対抗して、相手の女の子のほほを柿に見立てているのだけど、取り上げる
具材が干し大根から柿というあたり、田舎だわぁと思う。標準語はこちら:

 
 「あなたのほっぺはぐちゃぐちゃに熟れ過ぎた柿みたいにゆんゆんだね」

「うんだんこ」 というのは、標準語にないボキャブラリー。音の響きが素敵でしょ。
鼻濁音を使ってフランス語の雰囲気をかもし出す。鳥にさえ見捨てられた渋柿が枝に
残ったまま熟して、今にも落ちそうになったブヨブヨ柿を指して 「うんだんこ」 と言う。

つまり従兄は、いじめっ子のジャイ子のほっぺが、まるでこの 「うんだんこ」 の
ようにぐちゃぐちゃだと一撃。意味がわかると、結構強烈な一撃だったのね。さすが
私の血筋だと今更ながら感心する。

この他にも、高校生の私がベッドに寝転んで枕草子を読んでいた時のこと。清少納言が
ツララを 「たろひ」 と書いているのを知りベッドからずり落ちる。この地方では、今も
ツララは垂氷 (たろひ) なのだ。なぜゆえに平安時代の京言葉をこんなド田舎で千年も
使っているのだろう。

大学で東京に戻るころには、こうして東北弁と標準語を駆使する立派なバイリンガルに
なっていた私。そのせいか、今も音で聞いた未知の言葉は、一旦すべてひらがなに脳内
変換して文節を探す癖がついてしまった。


話をわらべ歌に戻せば、この意味不明な 「お耳をからげてスッポンポン」 には続きが
あって、この後に天秤棒でぶったりしながら最後は 「誰かさんの後ろに蛇がいる」 と
いうオチを迎える。こういう民間伝承としてのわらべ歌には、実は隠された別の意味が
あると、グリム童話の真実よろしくまことしやかな都市伝説が語られているのだ。

はないちもんめは花一匁、口減らしのために売られていく女の子の様子を歌ったと
言われるけど、踊りが盛り上がるにつれて、オカマが底抜けだとか、お布団びりびり
行かれません! などと、人買いどころではない大騒ぎに。なぜにしてこんな貧乏くさい
ものをかぶってお隣にいかねばならないのかイマイチ話の展開が分からない。しかも
このかぶりものは、地域によってローカル色があったりするのだ。

「売られる」 でいえば、横浜から異人さんに連れられていった赤い靴の女の子がやはり
人買いにあったという都市伝説。ドナドナの子牛は売られて、これから屠殺場に向かう
馬車の中だし、蛇の目でお迎えの子供は、柳の根方でずぶ濡れの子供をあざ笑う。
ピチピチチャプチャプランランラン! 一説によると、このずぶ濡れの子供は大人には
見えない霊の姿であるという都市伝説もある。いずれにしても残酷なわらべ歌の
闇は深い。

こうした謎の中でも特に私の興味を引くのが、 「かごめかごめ」 や 「君が代」 の逸話。
皆様は日猶同祖論という言葉を耳にされたことがあるだろうか。日本人とユダヤ人は
共通の先祖を持つ兄弟民族であるというトンデモ説で、この説を支える証拠の一つに
日本語では意味不明のわらべ歌や、さらに本来古今和歌集からひかれたとされる
国歌 「君が代」 までもがヘブライ語で意味をなすとする説があるのだ。緊急検証
で大槻ケンヂや辛酸なめ子あたりが取り上げそうなネタだけど、もし本当ならとても
興味深いお話。

例えばかごめかごめの音をヘブライ語に訳すと:

かごめかごめ籠の中の鳥はいついつでやる
夜明けの晩に鶴と亀がすべった後ろの正面だあれ? 

誰が守る?誰が守る?かたく安置された物を取り出せ。契約の箱に納められた神譜を
取り、代わるお守りを作った。未開の地に水を沢山引いて水を貯め、その地を統治せよ!

そういえば昔運動会で踊ったマイムマイム。あのイスラエル民謡は、まるでかごめ
かごめのように輪になって踊った。しかもその歌の意味は、ユダヤ人が 「国を建て、
新しい息吹きのもとに未開不毛の地に希望の水をひいて開拓にはげむ喜び」 を
歌ったとされる。微妙な一致…  ((((;゚д゚))))アワワワワ

さらに日本の国歌、君が代に至っては:

君が代は千代に八千代に細石の巌となりて苔の生すまで

立ち上がれ!神の選民シオンの民!喜べ、人類を救う、
残りの民として神の予言が成就する!全地あまねく宣べ伝えよ!

日本の国歌は、ユダヤの神からのメッセージなのかしら。ちなみにヘブライ語の
スケベSKBHは 「肉欲的に寝る」 という意味らすい。肉欲的に寝る...すごい日本語だ
 (((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

その他、さくらさくらや伊勢神宮歌にも意味があったり、古墳や神道行事他に
多くの共通点があるらしい。しかもそれに最初に気づいたのがスコットランド人で、
英語で研究を発表したものだから、結構世界的に広まった都市伝説である。
果たして嘘か本当かはわからないけど、壮大な歴史ロマンにちょっとだけ
胸熱だったりする。

果てしなく飛躍する私の妄想。幼少期の方言やわらべ歌がヘブライ語にまで膨らんで
いるうちに、電車はいつもの駅に到着。いつの間にかデブ子もリーマンも消え、
そこにはボタンだけが残っていた。


都市伝説と言えば、前回の柏原芳恵ねえさん。ここでさらにバイブネタを引っ張る
つもりはなかったのだけど、先日ランチを食べながらいつもの同僚アメリカ人にこのネタを
話してみた。

 「一体、バイブなんてどこで買うのかしらね」

と独り言を言う私に、

 「ドンキで売ってるよ (←日本語ママ) 」

なんだこの外人は。

彼によれば、先日友人とドンキに携帯電話のカバーを見に行ったら、ありとあらゆる
「そちら系グッズ」 を発見し、興奮のあまり写メに撮ったとのこと。 「ほら」 と
言われて見せられたのが、とぐろを巻いたムチ。ケースには薄く 「SM専用」 などと、
いらぬ注意書きがしてある。一体何の写メ撮ってんじゃ、と言いそうになり思わず
口をつぐむ私。

秋の九十九里浜で大量に発見した使用済みのイチジク浣腸を撮ったり、電波女の
落としたトマトの写真を保存する私に、彼を責める権利などない。結局、似た者同士の
お友達だったりする。

そして金曜のランチ。ブログにアップするからSMムチの写メちょーだいと言うと、
日本人妻による週一のケータイチェックに備えてすでに削除したという。あんなものが
フォルダにあるのを見つかったら、ただじゃ済まないなどと言っている。私が残念な
顔をしていると、代わりにこれはいかが?と、外人のオジサンが大きなムチを振り
回す画像を転送してくれた。 「bull whip と言って、牛専用なんだけど」 とか、そう
いう問題じゃないんですけど。それにしてもドンキって何のお店なんだろう。

前回、あまりに芳恵ねえさんの都市伝説を知らない方が多いことに驚いた私。
そこでこっそり検索をしてみると、でるわでるわバイブネタ。あれから30年の時を
経て、いまだあの都市伝説は健在で、ネットには今も数多くの芳恵スレッドがたっていた。
さすがに中身は見ていないけど、参考までに一例を紹介しますので、興味のある
方はどうぞ。

 芳恵 「8月12日は全国一斉バイブの日 Part3」
 柏原芳恵 「みんなも私みたいにバイブを使って欲しい」
 柏原芳恵 vs ももクロバイブ対決

最後は、このネタでネットを彷徨っている最中に見つけた動画をご紹介。タイトルに
惹かれて見た私は、ゴロゴロと椅子からずり落ちてしまった。聞き始めは 「ん?」 、 「んん?」
そして 「アレレ?」。

チッチッチッ、ボォーン、シュワワーッ、ボォーン。

スターウォーズっぽいというか、除夜の鐘というか。
しばらく聴かないとなんだか分かりませんが、曲後半にむけてダイナミックな盛り上がりをみせ、
最後には腰がくだけます。せっかくの中島みゆきの名曲が台無し! ボリュームをあげて是非
最後まで聴いてみてください。
(下記赤字をクリック!)


柏原芳恵バイブMIX!!!!!!



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