猫と海辺に暮らす翻訳コーディネーターの阿鼻叫喚な日々を綴る日記。

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ミミズ天国
ドラえもんの声優が、のぶ代ねえさんから変わって10年になるという。

ドラえもんが今、どんな声なのかも知らない私にはどうでもいいニュースなのだけど、
ドラえもんの“東映まんがまつり”で、学生時代のとあるエピソードをなまぬるく
思い出した。

私の大学時代は、以前“新宿二丁目探検”でも書いた通り、自転車に乗って深夜の都内を
走りまくる気のふれた生活を送っていた。専門が言葉を扱っていただけに、クラスの
半数は女子という構成。皆が皆、そのままコピーライターになれそうなセンスの持ち主で、
それは楽しい学生時代だった。

クラスには有吉のようなあだ名付けの名手がいて、的確なあだ名とそれに続くキャッチ
コピーが密かに流布されている。

桜蔭高校卒の典子ちゃんはスラリと背が高い。いつも背筋がピンと張っていて、ロボットの
ように平行移動する。美人だけど、ちょっとアゴが長かった。その彼女の横にいつも
並んで歩く小夜子さんは雙葉卒。オカッパくずれのボブカットにがっしりとしたガタイで、
全体的にずんぐりとしていた。

トップクラスの女子高から現役で入ってきた二人は、世間知らずのお嬢様。すぐに意気
投合して、いつも行動を共にしていた。身長差のあるデコボココンビは、いつしか
“東映まんがまつりペア”と呼ばれていた。

アゴの長い長身の典子ちゃんがライディーン。そして、オカッパのガタイ女、小夜子さんが
ジャイアントロボ。二人あわせてめでたく“東映まんがまつり”の裏表だという。勿論、
彼女たちは自らがクラスでアニメヒーローになっていることなど知らない。

クラスメートの森君が二人に話しかける。

 「二人はゴールデンウィーク忙しいでしょ?」
 「なんで知ってるの?」
 「映画のプロモーションとか」
 「???」

ゴールデンウィークの公開にあてこすっているのだろうけど、超進学校の女子高出の
お嬢様とは会話が成り立たないのが明白。そもそもライディーンなんか知ってるわけ
ないでしょ。

この森君こそがクラスの陰のリーダーで、暇に任せてクラスメートのプライバシーを堀り
起こしてはばら撒いていた。当時の写真週刊誌をもじり、自らをフォーカス森、手下その1
をフライデー吉雄、手下その2はエンマ美貴と呼んで、あることないこと言いふらす。
時に癪にさわるのだけど、内容が面白くて憎めない人達だった。

そんなある日、手下その1の吉雄がクラスメートの和美からデートに誘われた。和美は
顔がニワトリに似ていて生理も来ない身長と言われていたけど (何だかこうして文字に
すると本当にひどい) 、いわゆる恋多き女で男たちを手玉にとっていた。そんな和美
が目をつけたのがフライデー吉雄だった。吉雄は高校から大学とラグビー一筋の男子校
出身で、女性には免疫のない田舎イモ男。だから、女性には容赦がない。

ある日、古事記の授業で私の後ろに座った和美が吉雄を誘惑していた。

 「でもさ、和美さんて胸よりお腹の方が出てるじゃん」
 「馬鹿ね、大事なのは大きさじゃなくて、感度なのよ、感度」

お、おうっ。思わず振り返るとニワトリの和美がフライデー吉雄に向かってドヤ顔
をしていた。

その後、和美は吉雄を海に誘ったらしい。吉雄の運転するバイクの後ろでレザーの
つなぎを来た和美が湘南の浜辺についたのはもう夕方だった。海に沈みゆく夕陽に
遠い目をした和美。ゆっくりと髪をかき上げながら、吉雄に振り返ってひとこと。

 「ねぇ吉雄、付き合ってあげてもいいわよ」

間髪入れずに吉雄が返す、

 「ごめん。俺、典子さんが好きなんだ」

夕陽を受けながらまぶしそうな目をした和美はそのまま二分ほど固まり、吉雄にひとこと。

 「吉雄っ、私の弟になりなっ」

その後、都内への帰り道、二人は二度と言葉を交わすことがなかったそう。こうした一連の
出来事はルーズリーフにリポートされて、授業中に回覧される。勿論執筆者はフライデー
吉雄。

傷心の和美は今日のクラス発表にセクシー路線で登場するとの情報が入る。一体
この人たちは何を根拠にと思っていると、私の手元にまた回覧がまわってきた。

 「見よ、屋根裏を走る七色仮面。シルクのブラウスを身にまといビーチクビーム連発」

どうやら七色仮面というのは教壇にあがった和美を指しているらしい。確かにシルクの
ブラウスにピッチピチのスパッツをはいている。きっとあれが全身タイツの七色仮面だと
いうのね。セクシー路線? それにしても最後のビーチクビームはなんだ?

目をこらしてよーく見ると、和美ったらノーブラだった。昨日、吉雄に湘南で振られて、
今日はもう立て直してきたってこと?しかもブラウスのボタン二つはずしで攻めてるし。

こうして書くと和美が可哀想に見えるのだけど、発表の後に校舎を出るや、ロータリー
のド真ん中でいきなり男とベロチューしてた。しょっぱい女。

ベロチューにあてられて具合が悪くなった私が帰ろうとしていると、そこにあの“東映
まんがまつりペア”がやって来る。

 「ねえ、ウォーリックちゃん。ミミズ天国って何かしら」
 「・・・・」

怪訝な顔をした典子ちゃん(ライディーンの方)が聞いてきた。ちなみに私はクラスの
どのグループにも顔のきくプレーヤーで、彼女たちともよく話をしていた。典子ちゃんに
よれば、クラスで他の人に聞きづらいことは、私に聞けばたいてい解決するし、知らなく
ても馬鹿にされないから聞きやすいのだという。褒め言葉だといいのだけど、と思い
ながらもこの言葉は何だかさっぱりだった。

 「どこで聞いたの、そのミミズ天国?」

聞けば、授業の後に胸元をガフガフさせながら席にもどった和美が、森君に言い
放っていたらしい。六本木の男性にこう言われたとか、どうとか。

和美と森と聞き、きっとろくでもないことだと思った私は、それでも和美が言われたと
いうミミズ天国に胸が高鳴った。

 「私もよくわかんないから、明日までに森君に聞いとくね」

と言って別れる。

一人で学校裏の坂道を歩いていた私。何だかとても疲れた感じがするのはクラスメートの
毒気のせいかしらと思っていると、キッチンオトボケから森君と吉雄が出てきた。ちょうど
いいわと話を切り出す。

 「ねぇ、和美のミミズ天国ってなに?」

一瞬の沈黙に続き、顔を見合わせて爆笑する二人。どうやら今の今までその話をしていた
らしい。

 「それ、何かと何かが混ざってないか?」

わけワカメ。そもそも私だって頼まれて聞いているわけだし、と思うと腹がたってきた。

 「だから何よ、ミミズ天国」

二人に引きずられるようにして喫茶店に入るや、森君が声をひそめて顔を近づけてきた。
たばこ臭い。吉雄と代わる代わるに先を争って話し始める。

 「和美ったら荒れちゃってさ、六本木で行きずりの男とやったらしい」
 「ことが済んだ後、和美が“もう二度目はないわよっ”てニワトリ顔」
 「そしたらその男が和美にすがりついて言ったらしい」
 「こんなに具合のいいミミズ千匹なカズノコ天井は初めてだから捨てないでと」

和美はそのように自慢をしていたと辛そうな二人。どうやら自分を振った吉雄への
当てつけらしいと言ってふるえが止まらない様子。

でも私の疑問は何一つ解決されていなかった。ミミズ千匹なカズノコ天井って何だろう。
これがミミズ天国と何の関係があるのかしら?その具合って何よ?などなど。

笑いに乗ってこない私を見た二人は、ようやく私がこうした語彙を知らないことに気づいた
ようだ。

 「まさかウォーリック様が知らないなんてな」

というと、声高に一通りの説明を始めた。喫茶店で顔を隠しながら聞いたミミズ千匹...

きっと典子ちゃんの頭の中ではいつの間にかミミズ千匹とカズノコ天井が合体して
ミミズ“天国”になったのだわ、と考えながら、一刻も早く話をやめて欲しいと願う私。
聞きたくもないわよ、こんな話。それにしても和美ったらすごすぎる。やだ、
まだ話してる....

途中から両耳に手をあててアウアウを始めると、コーヒーご馳走様と言って店を出た。

今でこそ下ネタ上等!な私だけど、“南極ゼットン”にも書いた通り、こういう
おげまんな言葉は一切知らない乙女だったのだよ。ダッチワイフは脱腸ナイフ、
コンドームは剣道か茶道の金道具 (こんどうぐ?)、しょんべん芸者に至っては、
お座敷でスカトロプレイをこなすハードコアな芸者 だと思っていました。

ああ、和美にはついていけないと思いながらも、私の心はすでに典子ちゃんと向き
合っていた。こんな恐ろしい言葉、どーやってお嬢様の典子ちゃんに話そう。それも
これもあのビッチ和美のせいだわと思いながら眠れぬ夜を過ごす。

翌日、典子ちゃんに向かって口から出まかせを吹いている私がいた。

 「所構わずイケイケのアバンギャルドなビチ子を言うみたい」

典子ちゃんの顔は明らかに私の説明に納得していなかった。まず彼女の生活圏に
ビチ子はいないし、百歩譲ってそんなビチ子をミミズ天国と呼びますなどと、
すべてが壊れてるじゃないの!私だって分かっているわよ。

育ちのいい子はこういう時に優しい。分かったふりをして、はんなりと 「そう」 と
ひとこと、何事もなかったことにしてスィーツを食べにいくことになった。

そして今もゴールデンウィークの“東映まんがまつり”が近づくと、
ミミズ天国を思い出すのだよ。


スポンサーサイト

お久しブリーフ!
もの凄い放置プレイの末、何となくの復活。よくもここまでほったらかしにしていたと
自分でも驚いてしまう。よく遊びに来ていただいている方々から 「どうしたの?」 コメントを
いただき、そろそろ復活しなければとPCに向かう。

前回のウクライナの記事は、図らずもかなりの部分で予想が的中し、日本がお金を払う
ところで話が止まっている。そして今、日本には南極での調査捕鯨差し止めを訴えたオースト
ラリアのアボット首相とアメリカのヘーゲル国防長官が来日。

アボットさん個人は捕鯨に寛容な親日派なのに、このタイミングでの訪日はとてもお気の毒。
中国の資源ブームに乗った反日ラッド前首相の置き土産でいい迷惑だ。アメリカも国務省に
比べれば少しはましな国防総省からヘーゲルさんが来て、日本にイージス艦二隻の追加
配備を決定した。この背景には、オバマさんの対日政策のグダグダやウクライナを巡るロシア
との駆け引きで旗色が悪くなったアメリカが、日本の顔色を伺い始めた状況があるのかも
知れない。

とはいうものの、アメリカのペンタゴン内部も一枚岩ではなく、日米同盟よりも中国に色目を
使うPanda-hugger (パンダハガー) と呼ばれる一派が存在し、日々その影響力を増して
いるとのこと。また、今読んでいる日高義樹氏の本では、アメリカがドル体制の維持に協力
してもらう代わりに、世界の金融市場で中国人民元の国際化を容認する金融同盟の密約が
されているというセンセーショナルな文字が躍っている。もはやアメリカと中国はその金融
部門で切り離すことのできないパートナーになっているという。金融での結びつきはお互い
の経済を担保にしているという意味で、もし中国が日本に戦争をしかけてもアメリカは手を
出さないという論理。

その一方で、アメリカ国防総省は今月下旬に中国で行なわれる国際観艦式に、アメリカ軍の
艦船を派遣しないというニュースも飛び込む。これは中国が日本を招待しなかったことへの
報復措置とのことで、まだアメリカ内部には中国と相容れない拒絶反応が残っているという
一面もある。

そんなアメリカの揺れ動く今を切り取った写真がこれ↓

      obama.jpg
                      ノッチ 「あれっ」 「あれっ」

ちょっと可哀想になったw

国際情勢は複雑なので国内に目を向けると、やはりこのひと月は変わり映えのしない内容
ばかり。日本のベートーヴェンこと佐村河内守氏の記者会見では、見覚えのないカンニング
竹山が出てきたと思ったら髪を切った本人だったというオチ。うさん臭いことこの上ない。

猪瀬さんのバッシングが落ち着いて次は誰がターゲットかと思っていたら、今回はネット
から火がついた小保方さんへの個人攻撃がひどい。もし万が一にもSTAP細胞が再現されたら、
こぞってネガキャン張った人達はどう手のひら返しをするんだろう。

そう思っていると今度はみんなの党の渡辺さんがやり玉にあがった。ところで8億のお金を
渡したどこかの会長さんはなぜ誰も追及しないのかしら?返済が問題ではないとか、税金の
申告は一体どうなっているのでしょ?徳洲会は五千万で書類送検されましたけど。

テレビをつければマレーシア航空や北朝鮮のミサイル、そしてワイドショーでの個人の吊し
上げ。ネットを開けば、思わずネトウヨになってしまいそうな韓国ネタがあふれて本当に
嫌になってしまう。終いにゃ病身舞踊るわよ。

世の中は汚いことばかりだわっ、時には日光の三猿のように見ざる、聞かざる、言わざる、
で巣ごもりしよう...そう思って精神的な引きこもりをしていたら、こんなにもブログから
遠ざかってしまいましたというお話しでした。

政治ネタは大好きだけど、阿鼻叫喚には似合わないかなと思ってしまう。反対意見をもって
いて嫌な気分になる人もいると思うので、今後は少し遠ざかろうと思います (と言いつつ、
すぐにまた書きそうですがw)。

こんなにほったらかし状態にもかかわらず訪問していただいた方々に大好きなフランスの
フィギュアスケーター、メイテちゃんからお礼のキスをブチュッ!

 meite.jpg

そして、これからも肩の力を抜いていくわよ、という誓いを込めて、気の抜けた画像を一つ。

          mikawa.jpg

また宜しくね!




Copyright © 阿鼻叫喚 (あびきょうかん). all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。