猫と海辺に暮らす翻訳コーディネーターの阿鼻叫喚な日々を綴る日記。

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ウクライナをめぐる外交
前回の記事が硬かったので、今日はこれまで通りのガッツリ下ネタ系か、川越シェフの
画像ください!について書こうと思っていたのだけど、どうにもヨーロッパが気になる私。
ウクライナ報道がほとんどなかった2日の夜 (前回の記事投稿) から随分と事態が進んで
いるので、また続きを書いてみようと思う。

ここ数日見ていて思う事、それは外交交渉というものがいかに汚らしく品性に欠けるもの
かという事実だ。別にこれを否定している訳ではない。政治や外交は本来そういうもので
あると言う事。日本人のように 「ああ、言わせておけばいい」 と静観していると、いつの
間にか虚偽のプロパガンダが既成事実化して泥沼にはまり込んでしまう。莫大な予算を
投じてでも三倍返しで反駁していかないと国の威信が失墜するのが外交戦だ。

ウクライナを巡る交渉で最も注視していたのはアメリカの出方。シリアとは違い今回は欧州
の利害に直結するだけに、途中で同盟国から梯子を外される心配もない。ここで面目躍如と
ばかりにオバマ大統領が動けば動く程、事態が悪化していると感じるのは私だけであろうか。
対象の特定を避けたとはいえ、ロシア政府高官の資産凍結は最悪のカードだ。何故これを
最初に切ったのだろう。プーチン大統領自らがプレス会見を開き、軍事侵攻は最後の手段と
いう態度を表明していた目の前で喧嘩を売った形になった。オバマ周辺のブレーンは一体
何をしているのか。

G8 メンバー首脳に電話会談を持ちかけ日本の対応が甘いなどと情報戦でプレッシャーを
かけつつ、それでもアメリカの対応に即時に反応したのはカナダやイギリスといったアングロ
サクソン同盟であり、当事者のEU首脳からは一線を画されている。一方、こうしたアメリカの
動きとは別に英、仏、独らが日本に呼びかけ、岸田外務大臣がウクライナ暫定政府の金融
支援具体策を模索している。EU が世界に向けて我々がウクライナの経済支援をします!と
発信した1兆5450億円が、何故か一切関係のない日本のお財布からも出ていくというのが
現実だ。

前回のブログ記事で書いた通りの展開。果たしてこのヨーロッパの人々は、日本が中国との
紛争に巻き込まれた場合、軍事的、経済的支援をしてくれるのであろうか。日本が ATM
にされるのは仕方がないとしても、何故 GDP 世界第二位を標榜する中国にはこうした経済
援助の話が出ないのか。EU にとっても中国にとっても互いが貿易に不可欠なパートナーで
あり、中国市場では日本のマーケットを奪う EU 諸国が、中国ではなく日本を頼る理由が
分からない。ましてウクライナは中国の投資対象国で軍艦も購入しているのだ。日本政府は
賢く立ち回らなければならないと思う。つまり 「金も出すが口も出す」 ということ。十分に
根回しをした上で、中国との間の歴史問題その他について、欧州各国に日本支持の協力を
取り付けたり、欧州における日本企業の活動に何らかのメリットを付与する条件をつける等、
今後の外交に役立つ交渉をすべきだ。さらにウクライナへの資金援助の大半はEU ではなく、
日本が出資することになるだろう旨も、堂々と世界にアピールして欲しい。日本の外務省は
当然考慮していると考えたいが、決して転んでもただでは起きて欲しくないのだ。

中国への配慮や実利重視の外交は今回のオリンピックでも垣間見ることができる。同性愛
差別の理由でソチオリンピック開会式の出席を見送った欧州首脳陣。勿論、同性愛差別は
決して許されるべきものではない。そうした人道主義的な立場に立つ彼らの中で、北京
オリンピック開会式を辞退した首脳が何人いるか。驚くことに主要国ではドイツとイギリス
のみである。チベット、ウイグル、内モンゴルにおける殺戮を人権問題として非難する先進
各国は、何故か北京オリンピックには出席し、ソチの開会式には欠席をする。平和を目指す
スポーツの祭典は、今や立派な政治利用の舞台で、各国の思惑が入り乱れる外交舞台で
しかないという現実。

それでは日本はどういった外交を実現していくべきか。外交術の巧みさで群を抜く国がある。
19世紀の世界覇者イギリスである。日本はこの国の二枚舌、三枚舌外交を見習わなければ
ならない。中東問題を始め、現在の世界の火種をつくったのは言わずと知れたイギリス。しかし、
カメレオンのように上手く立ち回ることで、不思議と恨まれることのない国だ。北京オリン
ピック開会式を辞退したものの、その後、中国市場で独仏に溝を開けられたイギリス。昨年
12月にはキャメロン首相が中国を訪れ 「 EU と中国間の FTA (自由貿易協定) を推進したい」
「英国は中国の欧州最強の支持者になる」 と手のひら返しをしている。ここのところ上向いて
いる経済をより安定的に推移させたいキャメロンは、あえて泥船の中国に頼ってでも経済の
立て直しを図りたいところ。9月にはスコットランド独立の住民投票を含め、周辺も落ち着か
ない。19世紀には中国国民を薬漬けにし列強各国を中国に招き入れ、その後の中国没落の
原因を作ったのが他でもないこのイギリス。にもかかわらず、日本への風当たりとは比較に
ならない程、憎まれていない。香港返還時には、香港住民から感謝までされているのだ。

先日も英国BBCの番組内で日本と中国の大使を戦わせている。ニュースナイトのパックマン氏
は 「尖閣を中国にあげれば?」「地域全体、世界全体を危険に陥れる程の価値が尖閣にある
の?」 などと中国擁護の発言をしている。これにはさすがにイギリス好きの私も閉口する。
尖閣と同じような小島、南半球のフォークランドに対して、今回のロシアと同じ 「自国民保護」
を口実に 「実際に」 戦争をしかけたのはどこのどなたか?もし 「アルゼンチンにあげれば?」
と言ったら、大抵のイギリス人は怒るに違いない。

それでもこの国は世界から恨まれない。少なくとも日本における特亜三国のようなストーカー
はいないのが不思議でならない。彼らの二枚舌外交のテクニックは今回のウクライナ問題
でも炸裂している。先日も英国政府の内部文書が撮影されて内容がリークされた。 「ロンドン
の金融街をロシア人に対して閉鎖すべきではない」 「当面は貿易制限もすべきではい」 という
対ロシア通商・金融制裁に反対する交渉方針が明かされた。裏ではこんな方針を打ち出しなが
ら、ロシアに協力的だと批判の矢面にされているのは日本である。また、先日発覚したアメリカ
の盗聴問題では、イギリスもケーブルを使って盗聴していると言われている。しかしこちらも
なぜかイギリスはアメリカの陰に隠れて責められない。

国益を最優先に自国民保護、しかしおおやけには大義名分を守る姿勢を堅持。日本はこうした
「柔軟な」 外交の上手さを目指すべきだ。

この二枚舌外交に負けないのが中国。中国はウクライナに対しこの二年で200億ドルもの投資
をしている。これは豊穣の地ウクライナの農地を買い取り、そこに中国農民を送り込んで移民と
すること。また隣接するポーランドを経由して EU に送り込んでいく入り口としての投資らしい。
この EU への窓口を使って100~200万人の移民が密航しているとのこと。やることなすこと
ぬかりのない中国は、徹底して自己利益のみを追求するブレのない国だ。さすがにこうした
思惑はウクライナの知るところとなり、関係が冷めたタイミングでのロシア侵攻である。また
EU は中国にとってアメリカに次ぐ輸出相手であり、ロシアは盟友である。今回の当事者三者
がすべて中国の利害関係国とあって、一体どういう立ち位置を表明するのかにとても興味が
あった。

アメリカのロシア対経済制裁に反対はしたものの、プーチン大統領から直接受けた電話会談
では、明確なロシア支持には回っていない。ウクライナの独立・主権を尊重し、「他国の内政に
干渉しない中国の基本方針を踏襲する」 と説教をしている。こうした誰が見ても分かる大嘘を
平然と全世界に宣言できる胆力が欲しいと思う。二枚舌という意味では、ある時は世界第二位の
強国でアメリカを追い抜く国力に自信をみせる一方で、いざ今回のように経済支援が必要となれ
ば 「我が国は依然として発展途上国である」 と弱者を装い、ない袖は振れないと言い放つ。
説教たれて金をふんだくる、まさに場末のぼったくりバーのマダムではないの。

これこそが、日々、国営放送CCTVで日本をこきおろす抗日ドラマを垂れ流しながら、格下の日本
からいまだ300億円を超す ODA を平然と受け取ることのできるしたたかな厚顔さである。この
ODA が二桁伸張の軍事費に充てられ、日本爆撃用のミサイルに変わっているとすれば、まさに
ダチョウ倶楽部のギャグである。即刻打ち切って、東日本大震災の被災者支援、原発対応費、
東京オリンピックのインフラ整備に充てるべきだ。

中国が態度を保留するのであれば、それはむしろ日本にとってチャンスになる。ウクライナへの
財政支援を行う一方で、進退を絶たれ四面楚歌のプーチン大統領に日本ができるギリギリの
支援を申し出る。国際的な世論を敵にまわさない建前の裏で、対中国への軍事的協力やエネルギー
の支援を要請すればよい。そもそも今回のウクライナ事案自体が、内政干渉でしかない。表向き
には正当な選挙で選ばれていたヤヌコビッチ政権に暴力で反旗を翻したのは、ロシアではなく
ウクライナ市民。ロシアが出しゃばるなというのであれば、EU にも同じことが言える。まして
アメリカや日本などは、本来全く蚊帳の外であったはずだ。ただ、軍事問題を避けての解決を企図
していたロシアの退路をオバマ大統領自身が絶ってしまった以上、ロシアはもはや引くに引けない
状況になってしまった。アメリカの手にあったボールは、今やロシアに渡ったのだ。

今後の日本政府の対応は益々厳しいものになる。安倍総理には 「盲いて千尋の谷を渡る」 かの
如く細心の注意を払いつつ、時には卑怯とも思われる手段を使いながら、清濁を併せ呑む気概
をもって、一億二千万日本人民の命を守っていただきたい。


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ウクライナの話
今日は少しだけ真面目な記事を投下。

日本のマスコミではほどんど触れられていないウクライナの情勢が、実は今後の世界の
動向に大きな影響を与えるのではないかと懸念している。ここでアメリカが対応を誤ると
世界のパワーバランスが大きく変わり、それに付随した紛争が絶え間なく引き起こされて
いくような気がしてならない。

ソチオリンピック開催の裏で、血なまぐさい戦いが繰り広げられていたウクライナ。
親ロシアのヤヌコビッチ政権が崩壊した時点でロシアのプーチンが動く。これは平和の
祭典オリンピック開催国としてギリギリの忍耐の限界だった。ソビエト連邦崩壊時、各
共和国がこぞって独立した中でも、ベラルーシとウクライナは東スラブ民族としてロシア
との強い民族連携を保っていた。ただ、経済的に不安定でロシアに頼らざるを得ない
ベラルーシに対してウクライナは独り立ちがきき、しかもロシア統制時代から民族主義的な
覚醒があったため、反ロシアの旗印のもと経済的にはEUへ、また軍事的にもNATOに
なびき始めていた。

民族が同じとはいえ、ベラルーシとウクライナは長くポーランド ・ リトアニア共和国のもと、
ポーランドの支配下にあり、特にウクライナは異なる国に分割統治されていた。ただロシア側
からみれば、もし今回ウクライナがEUサイドにつけば、国境線が EU や NATO と直接
接することになる。NATO の仮想敵国は言うまでもなくロシアである。また黒海の軍事的
要衝クリミア半島を失うことは是非とも避けたかったのだと思う。

問題はこうしたロシアの侵攻というよりも、対抗勢力としてのアメリカの影響力の低下だ。
元 CIA のスノーデン氏はロシアに匿われ、同盟国の機密情報の盗聴が表沙汰になり、
シリアの介入では決して裏切ることのなかったイギリスからも三行半を突き付けられて梯子
を外されてしまった。このシリアの件では、欧州のみならず中東の大切な同盟国サウジの
信用も失っている。翻ってアジアでは、日中の軍事関係で数多くの不手際から中国に対して
誤ったメッセージを送ることになり、南シナ海、東シナ海を含めたエリアの緊張を高める
ことになった。北朝鮮や中国の脅威から、日米韓の連携強化を訴えつつ、その不協和音の
原因を日本に求めている時点で、すでにオバマ政権は終わっている。世界で物事の歯車が
狂いだしたのは、アメリカの民主党オバマ政権の力のなさがすべての元凶であることに
気づいていない。その結果、日本、ドイツ、イギリスといった同盟国の信用をすべて失っ
ている。

最近の日本に対するアメリカ国務省の主な声明 : 安倍首相の靖国参拝失望、クジラ、
イルカ漁への非難、そして在日韓国人へのヘイトスピーチ批判。この三点だけでも、いかに
一国の国務省が的外れな声明を垂れ流しているかが分かる。中国のチベットやウイグル、また
法輪功信者への弾圧や、ヘイトスピーチを超えた韓国政府の反日外交よりも、クジラ、イルカ
の 「人権」 や些末な内政干渉が大切な国。TPP 交渉下での横暴な主張では日本以外の
参加各国からも猛烈な非難を浴びている。本当に外交能力が欠如した政権だ。

そんなレイムダックを、老獪な政治家プーチンが見逃す訳がない。今回のウクライナ侵攻も
勝算を計算しつくした結果の判断だ。経済的に停滞する EU 、宗主国アメリカの力が及ばない
NATO、原発問題からエネルギーをロシアの天然ガスに頼らざるを得ない欧州各国。欧州に
とってのウクライナと、ロシアのそれとはあまりにも重要度が違い過ぎるのだ。今、戦争を起こ
されて一番困るのは欧州そのもの。それでなくても脆弱な経済基盤に加えて、エネルギーや
生産のサプライチェーンが途切れ、地理的には難民問題も抱えることとなる。プーチンは
しっかりと足元を見ている。おそらくウクライナの東半分はロシアの自治領にされて
しまうのではないかと思う。

日本のニュースソースがあまりに少ないため、4チャンネルに行ってみることにした。ここは
日本の2ちゃんねるのような英語版の BBS で、世界中から色々な投稿が入る。一体、今
ウクライナでは何が起こっているのか、直接現地の声を聞きたいと思ったのだ。

国際板ではポーランド人がフィンランド人に対して 「以前にもやっつけたんだから、すぐに
でもまたロシアを潰してしてくれ」 と言ったかと思うと、まだNATOに加盟していないスウェー
デンをののしるノルウェー人。また、戦火を恐れるベラルーシ人に対し、隣のポーランド人
が移民を呼び掛けていた。この二国は言葉がそのまま通じる上、200万人の出稼ぎにより、
現在ポーランドは人手不足なのだと書きこんでいる。日本と韓国の例を見るまでもなく、
隣国同志は総じて仲が悪いようだ。議論が白熱するに従い、書きこみの英語表現も汚なく
なっていく。

そんな中、数名のウクライナ人が来ていて、他の国の人から色々と聞かれていた。首都キエフ
在住という男性が、今現在は非常に静かでむしろ不気味なくらいと書いている。キエフはロシア
軍が展開したクリミアから遠く離れており、まだその影響はないとのこと。この男性は身体的
な事情で軍に参加したことがない (ウクライナは昨年まで徴兵制だった) が、それでも今回は
銃をとり、祖国のために戦いたいと書き込んでいた。いたたまれなくなった私は 「何もでき
なくてごめんなさい。でもウクライナがこれ以上のダメージを受けることなく、あなたが無事
であることを祈ります」 と書きこんだ。

こうした書き込みは、それぞれのヘッド部分に投稿者の国の国旗がつく。私のコメントには
日の丸がつくのだが、現地時間 (日本深夜) との時差や、テーマへの興味からか、ヨーロッパ
以外からの書き込みは私とアメリカ、カナダ人だけだった。物凄い勢いでレスが投稿されて
いくため、追いつくのに一苦労。それにしてもこうした国際板では、アメリカ人の肩身が
狭い。この日も、オランダ人から世界中で殺戮を繰り返す野蛮人とののしられていた。

そして昨日、中国雲南省で無差別テロがおきた。混乱に乗じた中国による尖閣侵攻を懸念
していたのだが、現在たまたま米韓合同訓練が行われていることに気づく。中国が動けないの
を幸いに、このタイミングで中国内の反乱分子がテロを始めたのかと思っている。ウクライナ
の自由への闘争が中国人民を刺激しない訳がない。

今日も日本では報道が少ない。一部の未確認情報では、クリミア半島でロシアとアメ
リカの特殊部隊が衝突している、また、キューバにロシアの戦艦が現れた、さらに中国と
北朝鮮が共同歩調をとり、軍事的にロシアをサポートするという報道も駆け巡っている。

今世界が動き始めている。

ウクライナ問題がどう転んでも、日本が巻き込まれないわけがない。国益を考えれば、北方領土
を人質に取られている限り、9月のプーチン訪日はもはや4月のオバマ訪日よりも重要な外交事案
だ。なし崩し的にアメリカに巻き込まれ、いつも通り戦後復興資金として経済協力金を強要され
るのは是非とも避けなければならない。欧州が経済的に疲弊しているとしても、日本に直接関係
はないのだ。もし経済援助をするのであれば、新体制への援助ではなく、被災したウクライナ人
への人道支援として、日本国民からの援助外交をすべきである。

世界の表舞台が動くときは、必ずその影で何かが起きる。
今回の紛争は決して他人事ではないのだ。アメリカには今一度 「世界のスーパーパワー」
としての自覚を促したい。

そして日本のマスコミは、もう少し事実を報道して欲しいと思う。

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